改正食品衛生法で義務化されたHACCP
HACCPとは、アメリカで開発された食品の衛生管理の方式でHazardAnalysisandCriticalControlPointの略称であり日本語では危害要因分析重要管理点と訳されています。
もともとは1960年代に宇宙食の安全性を確保するために開発されたもので生物、科学、物理に分けて考えられます。危害要因となる病原微生物等の生物的なものや残留農薬、消毒剤等の科学的なもの、金属やガラス片、ネジなど物理的なものを工程ごとに重点的に管理していく方法です。今まで行われていた管理方法は、製品が最終的に出来上がった段階で検査をし安全性を確認して出荷していました。
HACCPの方法では工程ごとに危害要因を分析し低減や除去を行っていきます。特に問題が起こりそうな工程は重点的に管理基準を定めたり継続的に管理を行い、問題のある製品を出荷させないようにしていきます。HACCPを世界的にも導入している国も多く、カナダやオーストラリアでは1992年から、アメリカでは1997年から食肉や水産食品等を義務化しており今後も順次、義務化する国も増えて来ています。
日本でも2018年6月に改正食品衛生法が可決され、2020年6月頃には施行されるといわれており経過措置期間を考えても、2021年の6月頃には完全義務化が開始されます。フードチェーン等の企業が対象となっており、食品衛生法で許可が必要のない業種も全てが対象となっています。