アメリカ発祥のHACCPとは
HACCPとは、アメリカで1960年代に、宇宙食の安全を守るために開発された衛生管理システムです。
現在では、このシステムが食品の衛生管理に応用されています。食品がいろいろな国から輸入出される中で、微生物や環境汚染などの問題を今までの管理体制で安全確保することが難しくなっているのが現状です。そのため、食品を作る過程や工程、流通や消費といった段階ごとに監視し、記録するHACCPのシステムが国際的に推奨されています。HACCPシステムは、原材料を受け入れる所から、最終的に製品に加工されるまでの各工程ごとに監視し記録します。
そうすることで、微生物の混入や汚染、金属の混入など様々な危害を防止することが出来ます。従来の勘や経験による衛生管理の方法ではなく、いろいろな面から食品の安全性について、危害を予測します。製造の工程ごとの危害の原因となる物質や発生の要因や万が一危害が発生した場合の頻度や影響力をリスト化して、それぞれの問題を適切に防止できるように、工程ごとに管理し記録します。
HACCPを採用することで、問題が発生する前の段階で適切に対処でき、食中毒や異物の混入などを未然に防ぐことで製品の安全性を高めます。こうした取り組みは、世界でも食の安全性を維持するための国際基準になっており、日本でも大企業が導入を始めています。2018年6月には、食品を扱う事業者に対し、HACCPを義務化する法案が可決しました。そのため食品関連の事業者は、2021年6月までには、この制度の導入をしなければなりません。