事業規模によって違うHACCP

食品衛生法が改正されたことによって注目を集めいているのがHACCPです。

食品を取り扱う際の衛生管理に関する仕組みで、食中毒の予防に効果があるとされています。導入にあたっては内容を理解し、いろいろな準備が必要となります。対象となるのがほぼ全ての食品関連の企業なので、小規模のところではかなりの負担です。そこで事業の規模によって2段階の適用が可能になっています。

工場のような大規模な食品加工業者では、HACCPに基づいて衛生管理を構築しなければいけません。チームを結成して計画を策定する必要があり、実施までにはかなりの時間を要することになります。一般の飲食店では、全ての要求事項を満たすことは困難であると思われるので、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理を構築するにとどまりました。つまり従来の衛生管理に、考え方を上乗せする形でシステムを構築することになります。全てをやり直す必要がなく、追加事項だけを気にすれば良いので負担が軽減されます。

それでも適用までには内容を理解して、必要なことは始めておかなければいけません。だからと言ってHACCPを全て理解する必要はなく、業界団体で作成される手引書を参考にして対応するだけで十分です。このようにかなり簡略化されたものを取り入れるだけなので、できないということは言えません。法律自体に罰則はありませんが、各自治体で設定することはできるので、地域によっては罰則に近いことが適用される恐れがあります。