危険を避ける温度管理
温度管理と言うと一定の範囲で保つと思われがちですが、それだけではありません。
たとえば、食品の製造工程で気にしなければならない加熱温度です。食品をおいしく食べるためにはしっかりと火の通った状態にすることが重要です。でも、加熱には他にも重要な役割があります。食中毒の原因として考えられるのが、細菌の増殖です。少量であれば免疫機能が抵抗し、特に問題ないようなものも増殖によって甚大な量になると、体に悪影響を与えることになります。そうならないためには加熱によって細菌を死滅させて量を減らすことが重要です。
温度管理としては、10度から60度の範囲を避けることが重要です。この範囲は危険温度範囲と言って、細菌の増殖が活発な環境と言えます。この範囲である時間を少しでも短くすることが重要になります。加熱のみの場合は、60度以下にならないことを確実にします。ただし加工中の食材の温度管理は簡単ではありません。
例えばブロック状のものでは、表面と中心で差ができてしまいます。いくら表面の温度を測っても、奥までその熱が到達しているかはわかりません。このような時は一度実験をしてみることが重要です。手順を定めて調理をしたときに中心の温度が危険な状態でないことを確認します。あとは同じ方法で行えば、同じ結果になるはずです。あとは測定しやすい表面温度で確認を行う程度で十分です。妥当性確認と呼ばれるこの方法は、実際に測ることが難しい食材には効果的です。