重点的に対策するHACCP

食品を加工する場合は、きれいな場所で作業していれば問題がないと言うのが、いままでの考え方です。

確かに清潔に保たれた状態であれば、細菌などの繁殖は防ぐことができそうです。だから最終的なチェックは抜き取りでも問題がないと言う考え方も問題がないように思えます。残念ながらその方法では、食中毒のリスクを低減することかはあっても、予防するまでは至っていません。だから、抜き取りで発見されなかったものから細菌が見つかるケースもあります。それでは安全性を担保しているとは言えず、運任せで運用しているのと変わりありません。

HACCPは全数検査によって、より確実に食中毒を減らすためのシステムです。まずは危害要因となるものを把握することから始めます。危害が発生するものが特定できれば、それについて対策すればよくなります。つまり、発生し得ないことに時間やお金をかける必要がありません。

HACCPの特徴的な運用として、重要管理点を監視することがあります。行程中の最も気をつけなければならない点を基準を設けて監視する方法です。重点的に監視することで、製造の効率を維持して、全数のチェックを実現することができます。HACCPは大量生産の工場でも取り入れることができる衛生管理システムと言えます。食の安全が大きな問題になる最近では、漏れのない監視が重要となります。全てをしっかりではなく、重点を確実にと言う考え方に変わりつつあります。